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日本酒女子図鑑#5

髙岡麻彩(「株式会社日本酒にしよう」CEO、唎酒師、調理師、料理研究家)

アイドル活動や某大手IT企業勤務を経て、『株式会社日本酒にしよう』のCEOとして活躍する髙岡麻彩さん。おもてなしの精神を胸に、日本酒業界の未来のため日々邁進する、彼女のマイストーリーとは。

人とリアルに触れ合える仕事を求めて

京都に生まれ、ウイスキー山崎蒸留所に程近い場所で育った髙岡麻彩さん。東京に上京するまで、京都が日本有数の“酒どころ”であることを知らなかったという。
「大学在学中はアイドル活動をやっていたんですよ。音楽が好きなので、芸能関係の仕事に就きたかったのですが、“一度就職をしろ”と親に猛反対されて。それで上京して、IT企業に就職しました」。
もともと3年で辞めて芸能活動をするつもりが、居心地が良すぎて6年間も在籍することに。
「会社では広告の企画営業をしていたのですが、仕事の良し悪しが数字でしか分からず、お客様の笑顔が見られないのは寂しいという気持ちをずっと抱えていました。そんな人の感動や笑顔が数値でしか測れない場所で働いていたので、お客様の笑顔をリアルに見ることができる仕事をしたいと思っていた時に、昔からお菓子作りとお花が好きだったこともあって、フラワーケーキと出会いました。それからはプレゼントとしても、もらっても喜ばれる、おもてなし精神が通じるスイーツを広めたいと思うようになり、『おもてなしスイーツ協会』を立ち上げました」。

インドネシア大使館でのおもてなしスイーツのワークショップ

スイーツから日本酒の世界へ

日本酒が好きになったきっかけ。それはご主人である、音楽プロデューサー兼作曲家の元I WiSH naoさんとの出会いだったそう。
「連れて行かれたお店で飲んだ日本酒がすごく美味しかったんですよ。ウイスキーの蒸留所がある生まれ故郷、親もウイスキーしか飲まない環境の中で育ってきた私がまさか、日本酒を飲むとは思わなかった(笑)。その時が日本酒の初体験です!そもそもカップ酒とかは、おじさんが飲むものだと思っていましたし」。
日本酒の世界に魅了されたのは、酒造りに対する姿勢に共感する部分が多かったからと話す。
「お酒の勉強や酒蔵さんへ見学に行ったりする中で、まるで自分の子供みたいにお酒を作っている話やお酒造りは掃除が98%という話を聞くと、お酒造りはとても大変なのに何でこんなにも安く売られているのだろうと、モヤモヤする部分がありました。と同時に、すごくハートフルな業界なんだと思って感銘を受けました」。
歴史や業界を背負いながら、真剣に酒造りと向き合う。その精神に自分の今までの考えや生き方が重なったのだろう。そんな髙岡さんは、唎酒師の資格を持っているのだが、その取得のきっかけもまた面白い。
「naoさんは無類の日本酒好きで。唎酒師の資格を取ったら、これからずっと日本酒を奢ってあげる、と言われて(笑)。半信半疑だったのですが、そういうタイミングにあやかっておけ!と思って(笑)」。

日本酒女子会だからできること

「とある飲み会にたまたま行った時、すごく素敵な人がいて。それがエイミーちゃんだったんです。お友達になりたいというところから始まっていて、一緒の想いを持っている方達と活動することで、より大きなことができるなと思いました」。
代表の氏家エイミーとの偶然的な出会いから、日本酒女子会と繋がった髙岡さん。女子会メンバーだからこそ、できることとは。
「現在酒蔵さんが抱えている悩みのひとつに、若い女性の方々に日本酒を手に取ってもらいたいということがあると思うんですよ。そこを推進しているのが日本酒女子会だと私は思っていて、ただシンプルに日本酒を好きな女子が“日本酒うまい!”って言うことが、最も大事なことだと思います。そうやって波及していくし、日本酒好きな女子が増えていく。とても素晴らしい仲間達だと思っています」。

髙岡麻彩流・日本酒の楽しみ方

子育てをしながら、仕事をバリバリこなす髙岡さん。プライベートでは、どのようにお酒を楽しんでいるのか。
「自分の一番身近なお酒が日本酒なので、毎日飲みます。そしてお昼から家でテイスティングをしたりします。最近お気に入りの飲み方は、カクテルにした“日本酒レモンサワー”で、家でよく作りますね。普段の生活で、日本酒は本当に癒しになっています」。
またコロナ禍では、おうち時間をいかに贅沢に充実させるかを追求して、料理の研究もされたそう。
「得意料理は、和風麻婆豆腐です。和風なのでまろやかで、日本酒とも合わせやすいですよ。もともと調理師免許も持っているので、いかに自宅でお店の料理を再現できるかと、日本食だけでなく中華やイタリアンにも日本酒を合わせるということをやってみて、毎日楽しみながら研究していました。“仕事が遊び”みたいな感覚が、私の中の軸にあるんですね」。

業界の未来のために

ポジティブな発信を続ける髙岡さんだが、日々が葛藤の連続だそうだ。
「日本酒に関してはまだまだ新米だと思っているので、そこを埋めるためにやらなければならないことが沢山あると思っています。今は忙しい生活スタイルを続けながら、目の前の壁を越えたら、また次の大きな壁があっての繰り返しですが、昨日よりも今日、今日よりも明日といった感じで、少しでも成長したいです。それが蔵元さんのためになるし、日本酒を飲む人のためにもなると思いますし」。
現在、毎月酒蔵とオリジナルの限定ボトルを造り、しぼりたての日本酒を届けるサブスクリプションサービス展開している『株式会社日本酒にしよう』のCEOである髙岡さん。近々の夢は、“多くの人に日本酒の魅力に気づいて知ってもらうこと”と語る彼女には、今壮大な計画があるという。
「実はインドにご縁があり、“日本酒を持ってきませんか”という話をいただいて。今は国内向けに事業を展開していますが、海外での需要も結構あると思っています。インドは宗教的にお酒を飲んではいけない場所もあったりするので、ものすごくハードルが高いのですが、今後数年のうちに中国の人口を上回るとも言われていますし、可能性しかないなと。そこで20ページに及ぶ企画書を書き、国税庁の日本酒ブランド化推進事業に採択されましたので、今年からスタートを切ることができます。こういうことが、業界が変わっていく、ひとつのエッセンスになると思っています」。

“私は日本酒業界を変えたる!と本気で思っているんですよ!”
そう強く語る髙岡さん。日々向上心を持ち続ける謙虚な人間性の中に、秘めたる闘志が溢れ出ていた。彼女の想いは今、日本酒業界に“凄いこと”を起こそうとしている。

株式会社日本酒にしよう

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